三次元写真計測システム(Kuraves クラヴェス)とは  

 近年のデジタルカメラの高解像度化やパーソナルコンピュータの高性能化により、これらを利用したデジタル写真測量技術の各種計測への適用が活発に試みられています。デジタル写真測量の特徴の一つに、面的な広がりのある計測対象を瞬時に計測(撮影)できる点があります。また、撮影画像を直接パソコンに入力、処理することで計測の自動化、簡易化を図ることも可能です。複数の撮影画像から立体物の形状や三次元位置の計測を行えるが「三次元写真計測システム(Kuraves クラヴェス)」です。
 
Kuraves(クラヴェス)は、市販のデジタルカメラで撮影した2枚以上の画像データ(写真)をもとに、様々な自然対象物や構造物を3次元データ化できるソフトウェアです。計測結果は3次元データとして作成されるため、物体の長さや面積、体積、断面図など様々な目的用途でご活用できます。

クラヴェスの特長  

 クラヴェスの特長として、市販のデジタルカメラ画像を取り込め、自動的に対応点を処理できることが挙げられます。これにより、専門知識がなくても容易に計測が可能であり、数時間の簡単な作業で処理が行えます。また、災害箇所や急傾斜地などの危険な場所で計測を行う場合でも、現地に立ち入ることなく遠方からの撮影のみで計測できるため、安全に現地状況を把握することができます。

●計測専用カメラ不要
  高価な計測専用カメラは必要ありません。市販されているデジタルカメラが使用できます。クラヴェスではレ
  ンズ歪み補正ツールを標準装備しているため、どの機種でも計測可能です。
●計測点いらず
  撮影画像にスケールが写っていれば(写っていない場合でも撮影間距離や対象物までの距離がわかれば大
  丈夫)スケール付の3次元データが生成されます。撮影位置などの面倒な事前計測はまったく不要です。
●誰でも早く簡単にできる
  カメラ撮影やパソコンなど一般的な操作ができれば誰でも簡単に取り扱えます。特殊な技術を必要としない
  ため導入日からご活用できます。
●三次元表示機能
  生成物は、三次元表示機能で回転、縮小、視点等を変更しながら自由に観察することができます。形状確
  認や対応点入力の間違い検出などにご利用いただけます。テクスチャの貼り込みも可能です。このように、
  ビジュアル表現ができるので、撮影に携わらなかった相手に対しても説得力のある資料が作成できます。

クラヴェスの計測手順 

 クラヴェスによる計測の流れは以下のようになります。クラヴェスでは画像上で選択(自動または任意)した対応点について三次元座標(X,Y,Z)を与え、それぞれの位置関係を自動で計算します。その結果により立体画像を得ることができ、平面図、縦横断図、等高線図等の図面が作成できます。

1.撮影計画立案
   ・対象物、撮影箇所の状況確認
   ・カメラパラメータの設定

市販デジタルカメラの場合、個々に持っているレンズ歪みを補正する必要があります。クラヴェスには簡単に補正値を求められる専用漂定用紙とカメラレンズ歪み補正ツールが付属されています。

2.撮影
   ・画像内にスケール設置
   (スタッフ、ポール、測量基準点等)
   ・カメラのフォーカス設定(無限大)
   ・角度を変えて2枚以上の画像撮影

2枚以上の画像に、1)長さが特定できるもの,2)垂直水準がわかるもの,が写っているようにします。
※1)撮影間距離、対象物間距離でもよいです。
※2)三脚、電柱でもよいです。

3.データ解析
  ・画像をパソコンに取り込む 
  ・任意による対応点付け
  ・スケール等の入力
  ・自動による対応点付け(自動対応点処理)
  ・三角網を作成し、三次元表示

写真間の一致点(対応点)を最低8点指図します。ひとつの写真に点を落とすと他の写真には自動的に対応点が生成されます。

4.結果出力
  ・3D機能、CADデータ出力等有
  ・各種成果図面の作成

画面上で3D表示機能による確認作業を行い、位置座標データ(X,Y,Z)をCAD出力できます。対応点を多数生成することで、より細やかな表面形状を表現できます。

利 用 例   

法面の三次元化 


Kuravesでの計測において、一枚の写真では撮影できないような非常に大きな対象物に対しては、全体を計測できないことがあります。以下の手順により、そのような対象の計測を可能にしています。


大きな対象物に対しては、部分毎に撮影します。Kuravesによって、部分毎に三次元データ化します。また、三角網の作成により面積を求めることが出来ます。
   
法枠面積:608.189m2 法枠面積:1820.141m2
接続機能により部分毎の三次元データを統合し、本来の計測対象の三次元モデルを復元します。


このようにして作成した三次元モデルから等高線や縦横断の作成,土量計算などが行えます。

等高線と縦横断

近づくことが困難な場所,危険な場所の測量に
適しています!
等高線,縦横断等を作成したい範囲に対応点を作り、三次元データを作成する。
三次元データを作成すると、等高線を表示出来る
ようになります。また、任意の縦横断も簡単に作
成できます。
縦横断を表示させたい、断面線を選択すると手軽に縦横断を確認できます。また、DXFファイル等で保存することにより、CADソフトへ出力できるようになります。
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