ビオトープとはドイツ語でBio(生き物)Top(場所)を意味する言葉で「生き物のすみか」と訳され、有機的に結びついた動物群の生息空間、あるいは重要な一時生息空間と言う意味で用いられています。
わが国では戦後の高度成長の波に乗り、生き物の事を考えない開発が至る所で繰り返されてきました。
その結果、森は破壊され河川はコンクリートの護岸で固められ、40年前には生息していた生物を最近見かけなくなったと言って寂しがる年配の方の話をよく耳にします。自然が破壊されてしまった今、残された生物の生息環境を守ったり、なくなってしまったものを復元、創出する事が社会の重要な課題になってきています。
ビオトープ事業とは、野生生物の生息可能な空間の保護・保全・復元・維持管理に資する事業と位置付けられ、単に見た目を自然らしく配慮するものだけではなく、そこから一歩踏み込んで地域の自然生態系保護・保存・復元・維持管理にも寄与するものです。
近年ではコンクリート張りの公園ではなく、ビオトープを施した親水性のある公園が多く取り入れられたり、環境教育の一環として、小中学校の校内に様々な自然生態系の観察モデルを作成して自然の大切を学んだり、水中動物や昆虫の生息空間としての利用が進められています。
また、工事現場においても環境に配慮された工事が進められ始めたところですが、身近な所では河川工事で環境保全型のブロックを使うなどして動植物の生息を断ち切らない構造物の導入が進められています。
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